湯の鶴温泉を見下ろす茶畑
水俣の温泉地「湯の鶴温泉」を見下ろす茶畑。ここに広がるのがお茶の坂口園の茶畑です。
標高350メートルの山間地は、寒暖の差があり、美味しいお茶づくりに適しています。
1929年、お茶の坂口園は初代が在来種を植え茶業が始まりました。
今でもその在来種と新しい品種を取り入れお茶作りをされています。
湯の鶴温泉を眺める場所に茶園があることから名付けられた「ゆのつる和紅茶」。
父親である二代目が作った和紅茶です。
坂口園オリジナルのブレンドの和紅茶は、甘い蜜のような香りを思わせます。この紅茶は温泉街でのお土産品としても、人気です。
ゆのつる和紅茶
「ゆのつる和紅茶」を改良し、和憲さんが作ったのが和紅茶「はるべに」。農薬を使わずに育てた「べにふうき」の茶畑は、日々和憲さんが日々雑草を取り、手をかけて育てられます。
べにふうきの茶畑。農薬を使わずに育てている
茶摘みは春、夏、秋。その年の気候を見ながら、一番良いタイミングで新芽を摘を摘んでいきます。そして茶葉は一枚一枚を丁寧に揉み上げて作られます。
春摘みのべにふうき「はるべに」
春に摘んだべにふうきは、「はるべに」は国産紅茶グランプリやパリのJapanese tea selection parisにて金賞を受賞しました。フルーティーな香りと爽やかさが広がる優しい味わいの紅茶です。
このシリーズで、夏摘みの「なつべに」、秋摘みの「あきべに」があります。
「なつべに」は華やかな香りと力強さ。
「あきべに」は深まる季節のよう芳醇さ。
同じ茶葉でも季節により味わいも変わり、それぞれの香りや味を楽しみことができます。
茶畑の中でお茶会が楽しめる空間
見晴らしがよく、風が駆け抜ける清々しい茶畑。
ここでお茶を楽しんでほしいとお茶席の空間をつくった和憲さん。
「みなまた和紅茶」というブランドの紅茶の美味しさをもっと知ってほしい、もっと伝えたいとお茶作りの思いは広がります。
2024年9月
取材・写真 安本多美子